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研究内容

1. 低炭素時代の食料生産
世界人口の急激な増加は食料増産を求めている。しかし多量の肥料投入は環境の富栄養化をもたらし、さらに安価なエネルギー源石油も枯渇しつつある。環境保全と食料増産、この相反する要求に肥料学はどう応えるのだろうか? 植栄研は肥料を中心に土壌から植物まで、すなわち、有機性廃棄物の処理方法の一つとしての堆肥製造法、堆肥窒素の有効利用、メタン発酵廃棄物の施肥法の開発、窒素利用効率のよいイネ(少ない肥料でまあまあ育つ)の選抜と育種、カリウム要求量の少ないイネの育種、などの研究を展開している。

2. ホウ素、カルシウム、細胞壁、ホウ素過剰
われわれは高等植物の必須元素ホウ素が、ホウ酸の形で細胞壁のペクチン質糖鎖を架橋することを世界で初めて明らかにした。さらに,この架橋にはカルシウムも配位していることを示した。この研究は植物細胞で細胞壁がどのような機能を果たしているのかという研究に発展しつつある。また土壌にホウ素が多量に存在するときに起きる作物の障害についてもイネを用いて検討を進め、ホウ素過剰耐性を与える遺伝子Bet1を同定した。細胞壁で感知される情報がどのようなメカニズムで細胞内に伝達されるのか、細胞壁と細胞膜の両方に結合した受容体型キナーゼcell-wall associated kinaseについても研究を進めている。

3. カドミウム
亜鉛は生命にとって必須の金属元素である。しかし同族のカドミウムは動物や植物にとって毒性が高い。生物はメタロチオネインと呼ばれる金属結合タンパク質を合成して細胞に侵入したカドミウムを固定し害を防ぐが、植物はさらにファイトケラチンと呼ばれる金属結合ペプチドも合成する。イネにおけるメタロチオネイン誘導、ファイトケラチン合成のしくみを明らかにし、カドミウムをたくさん蓄積して環境からのカドミウムの除去に使える品種や、白米にカドミウムを蓄積しない品種を育成することを目的に研究を進めている。