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第13回関西女子科学塾「私たちは土を食べている」

第13回関西女子科学塾「私たちは土を食べている」

植栄研では、3月16・17日に京大で行われた第13回関西女子科学塾に、「私たちは土を食べている」というタイトルで実験コースを提供しました。

受講生は高校1~2年の生徒さん5名、また、ティーチングアシスタントとして植栄研修士2回生の張さんと修士1回生の平田君、さらに、理学部1回生の難波さんも参加してくれました。みなさん来てくれてありがとう。

16日はまず、間藤教授の講義からスタートしました。私たちが土を食べているってどういうこと? 皆さん、メモをとりながら熱心に聞いていました。

私たちが食べているものは植物に由来し、植物は根で土壌から養分元素を吸収して育ちます。実験は、植物の養分元素の中でも最も生育に影響しやすい窒素をテーマに、窒素は細胞の中でタンパク質の構成元素として働いていること、植物にもタンパク質が含まれていること、を受講生の皆さんに実感してもらおうと、野菜(ほうれん草と水菜)からタンパク質を抽出しました。野菜をミキサーにかけて野菜ジュースにし、遠心機にかけたり試薬を加えたりを繰り返しながら、いらないものといるものを分け、タンパク質を取り出していきます。最後には白い粉が得られました。続いて、得られた沈殿をC/Nコーダーにセットし、窒素含有率の測定も行いました。得られた沈殿が本当にタンパク質なら16%程度の窒素が含まれていると予想されます。もしも、得られた沈殿がデンプンなら、窒素は含まれていないはず。

高校生さんたちは「ひとつひとつの操作はむずかしくはないけど何度も繰り返すのは大変」、「実験ってこまかい操作が多いんだな」と思ったそうです。

表1 測定結果
ほうれん草水菜
最初の重さ(g) 28 28
沈殿の量(mg) 100 60
沈殿の量(重量%) 0.36 0.21
 窒素含有率(%) 13.9 14.0
 炭素含有率(%) 45.7 43.9

実験の結果を表1に示しました。28gのほうれん草から100mg(0.36%)、水菜から60mg(0.21%)のタンパク質沈殿が得られました。食品成分データベースによれば、ほうれん草にも水菜にも2.2%のタンパク質が含まれています。この値に比べると回収率は1/10程度と低くなりました。これは、水抽出では抽出されないタンパク質があったこと、今回タンパク質を沈殿させるのに用いた方法では沈殿しないタンパク質もあったこと、などによると考えられます。沈殿に含まれた窒素はどちらも約14%と予想される16%に近い値を示しました。ちゃんとタンパク質でした。

実習後は、翌日の発表会にむけ、学んだことをスライドにまとめました。わからないことは、化学の教科書やスマホで調べたり、スタッフに質問したりしながら、準備し、翌17日には全参加者による発表会で発表しました。